麻生区栗木のマイコンシティに本社を構える同社は、農業機械用の電磁弁を扱う会社「伸和工業株式会社」として1962年に誕生、そしてその5年後の1967年に販売部門が独立して「伸和コントロールズ株式会社」が設立されました。社名にはともに「和して伸びよ(仲間を大切に、助け合い讃え合いながら切磋琢磨し成長していく)」と言う想いが込められています。
それぞれの時代で求められたことに対し、ものづくり企業として常に進化し応えてきた同社。創業時からの製品である電磁弁は耐食性・耐久性に優れ、医療業界で長く活用されています。近年では、宇宙実験のサンプルを地球に持ち帰るカプセルに同社の電磁弁が使用されて重要な役割を果たし、航空宇宙業界においても大きな成果を上げられました。また、技術力を培い1980年代に参入した半導体業界では、精密温調装置の開発・生産で世界のトップメーカーとして知られています。
記念日である6月21日には、本社にて創業60周年記念社内講演会が開かれ、幸島宏邦代表取締役会長が会社の60年の歴史と文化を社員に向けて語りました。
60年という長い歴史の中では、幾多もの谷間を経験されてきましたが、どんなときも「おもしろ、おかしく、たのしく」という精神で乗り越え、「一期一会の出会い」を大切にしてきたという幸島会長。お客様が求めているものに応える、必要なものを必要なときに提供するという一期一会の精神、おもてなしの精神は、会社の成長につながる大切な理念として根付いています。
7人でスタートした同社の従業員数は現在598人となり(2022年7月現在)、本社の他に長野県伊那市や長崎県大村市など、国内5カ所に事業所・営業所・工場を配し、韓国・アメリカ・台湾・中国など海外にも現地法人を持つまでになりました。
「今後、ビジネスエリアは本当の意味で国内から世界になり、求められる能力もグローバルに、アクティブに変わっていきます」と山本拓司代表取締役社長。「世界共通の課題が明らかになり、力を合わせて未来を形成していかなければならない時代において、新たな価値を追求し、これまでに培った技術で人類の課題を解決していく企業でありたい」。60周年を記念して制作したロゴには、その想いを込めて「技術に夢を、未来に愛を」というスローガンが添えられました。同社を支える客のみならず、取引先や地域、社員とその家族と、同社に関わるすべての人びとに感謝を捧げる同社の、愛あるものづくりはこれからも続きます。