ブックタイトルしんゆり人 NO.003 2019 SUMMER
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しんゆり人 NO.003 2019 SUMMER
高齢者も栽培しやすい「かぼちゃ」に着目 早野地区では、ひまわりの他に「かぼちゃ」の栽培にも力を入れている。かぼちゃは水田でも作付けが可能な上、トラクターなどの農業機械を使わずに栽培できるため、高齢者にも扱いやすい。早野農地管理組合は昨年、イベント「カワサキハロウィン」と連携。市内のフランス菓子店やイタリア食堂の協力の下、早野産かぼちゃのピューレを使った期間限定の特別メニューを完成させ、農業振興地域の活性化につながるモデル事業として注目された。「遊休農地を使ってくれる、若い借り手が現れることを願って」 「今年は生かぼちゃを手に、レストランなどへ売り込みに行く予定です」と、同組合とともに事業を進める川崎市経済労働局都市農業振興センター農地課指導調整担当の小笠原政彦さん。昨年のハロウィンシーズンに、地元の飲食店へかぼちゃピューレを売り込みに歩いていた時、生かぼちゃはないのかと聞かれることが多く、また地産地消を意識する若手シェフが多いと感じたそうだ。今年は同組合が管理する試験圃場でいろいろな種類のかぼちゃを栽培して持ち込み、好評であれば来年以降の作付け面積を広げ、契約栽培ができるようになればと話している。早野産かぼちゃはその他にも、自校調理方式を採用している市内の中学校4校で、自校献立の「かぼちゃシチュー」に使われるなど、その利用方法は広がりを見せている。 早野地区は遊休農地ばかりではない。地元農家が汗を流して耕した農地で採れた野菜は、それぞれの農家が持つ独自の販路や、JAセレサ川崎が運営する「セレサモス」などで販売されるが、商品棚に並ぶと早野産の野菜であることが伝わりにくい。そこで最近は早野産ブランドを広めるため、オリジナルロゴマークのデザインをトビラ株式会社(P8参照)に依頼し、そのロゴが入ったシールを作って野菜を入れる袋に貼るなどして、他地域の野菜との差別化を図っている。 また、早野の自然と共生する霊園・早野聖地公園では、2013年から年3回のペースで「早野野菜マーケット」を開催、それぞれの時期の旬の野菜を販売している。同公園へ墓参りに来た人にも早野産野菜や早野のことを知ってもらおうという狙いから、盆と彼岸に合わせて3月・7月・8月に実施。毎回開始早々に野菜が売り切れてしまうほどの人気で、この活気がまた、農家のやりがいや野菜を育てる熱早野の魅力を多くの人に知ってもらうために意にもつながっている。 このようなさまざまな取り組みを続けていくことで、早野の田園風景を守りながら、その魅力を知ってもらう機会を創出していきたいという同組合。いつか恒例となった夏のひまわり畑の風景が見られなくなったとしても、それは遊休農地が減っているということ。その時には、早野の地で元気に水田を耕す若者の姿を、見ることができるのかもしれない。昨年、早野産かぼちゃのピューレを使って麻生区のフランス菓子店「イルフェジュール」が作った、かぼちゃプリン。早野に広がる、市内でも珍しい巨大なひまわり畑。この景色を背景に記念撮影をする人も多く見られる。01.今年3月に早野聖地公園にて開催された「早野野菜マーケット」の様子。02「. のらぼう菜」など、その時の旬の野菜を求めて、多くの人が墓参りに来たついでに立ち寄っていた。02 01 02 0111 しんゆり人 NO. 003 2019 SUMMER