ブックタイトルしんゆり人 NO.003 2019 SUMMER
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しんゆり人 NO.003 2019 SUMMER
ここ数年、夏になると川崎市麻生区早野の地に現れる巨大なひまわり畑は大きな話題となり、市内でも珍しいその景色を一目見ようと多くの人が訪れている。この美しい風景が生まれた背景には、さまざまなアイデアから生まれる取り組みを通して早野の農地を守り、伝え、次世代へつないでいこうという、早野農地管理組合をはじめとする地元の人々の思いと努力、工夫がある。 麻生区で、黒川地区・岡上地区とともに農業振興地域に指定されている早野地区では、農ある風景が残る、自然と調和したまちづくりが進められている。同地区では水田を中心として農作物が作られてきたが、全国の例に漏れず農家が高齢化しており、耕作の放棄を余儀なくされているケースも少なくない。放置された農地は土壌劣化が進み、一度劣化すると簡単にはよみがえらせることができない。そこで土壌を保全するために植える緑肥作物として目を付けた土壌保全のために生まれた市内最大級のひまわり畑アイデアで早野の農地を守り、次世代へ早野農地管理組合02のが「ひまわり」だ。早野農地管理組合とJAセレサ川崎、川崎市農業委員会、そして川崎市の4者が、地元農家とともに2016年から栽培している。品種は「ハイブリッドサンフラワー」と「サンマリノ」。開花シーズンには市内外から訪れる多くの見物客とともに、約10万本のひまわりの花を愛で、夏が終わり花が枯れたら、刈り取らずに土にすき込む。そうすることで肥料分となり、また有機物として土壌改良にも役立つのだ。 昨年、ひまわり畑を見に来たある老人施設からの見物客に、その場で花を摘んでプレゼントしたという早野農地管理組合の伊藤幹夫組合長は、その時に喜んでもらえたことがとてもうれしかったと笑顔で話す。農地を守るためのひまわり畑は、人と人との温かな触れ合いの場となり人の心を潤してくれる。それと同時に、同地区で大きな問題となっている不法投棄の抑止にも一役買っているようだ。荒れた土地には不法にごみを捨てていく人も、美しいひまわり畑には捨てられない。こうして景観保全にも役立たせながら、この農地でまた農作物を作ってくれる若い借り手を探し続けている。試験圃場へ案内してくれた、早野農地管理組合の伊藤幹夫組合長(左)と、川崎市経済労働局都市農業振興センター農地課指導調整担当の小笠原政彦さん。圃場では、旬を迎えていた川崎市の伝統野菜「のらぼう菜」の摘み取りを体験させていただいた。早野地区の位置はP37 MAP H・I - 4 参照。03connect byIdeas人と農業をつなぐ 都市農業ムーブメントしんゆり人 NO. 003 2019 SUMMER 10