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概要

しんゆり人 NO.001 2018 WINTER

 「今年、初めてレタサイに挑戦してみたんです」。雲間から降り注ぐ光を浴びながら、あまり聞きなじみのない名前の野菜を一つひとつ丁寧に収穫していく「いのうえのうえん」の井上広基さん。レタサイとは、レタスのように生で食べても、鍋などに入れてもおいしい白菜の一種だそう。 もともとは彫金の仕事をしていた井上さんは、結婚を機に、祖父の時代から続く農園の後継ぎとして就農。川崎市麻生区古沢にある広い農地で、スーパーではあまり見かけないような珍しい品種も含め、数多くの野菜を育てている。「農業を始めたときは、全く農業の知識がありませんでした。でも最初から、作りたいと思ったものを作ってきました。やるなら人と同じことではなくて、何か面白いことがしたくて。親父に『それは野菜なのか!?』って言われるものもありますよ(笑)」。地域のレストランや飲食店にも、井上さんが作る野菜のファンは多く、料理や商品にも取り入れられている。珍しい野菜作りに挑戦していきたい異業種交流から生まれるもの 井上さんは、面白いことや面白い人が大好きだと語り、農家はもちろん、農家以外の幅広い職業の人とのつながりを大切にしている。 新百合ヶ丘にある人気のパン屋「nichinichi(ニチニチ)」(川崎市麻生区万福寺)の川島善行シェフとは、約2年前からの付き合い。店の開店に向け、パンに使用する新鮮な野菜を提供してくれる地元農家を探していた01. レタサイを収穫する井上さん。02. インスタグラムでは、井上さんが撮影した野菜のアートな写真を見ることができる。https://www.instagram.com/inoue_nouen/今、新しい農業が面白い 農業クリエイターズ 農業をクリエイティブに、面白くいのうえのうえん 井上 広基 さん02 01楽しく作った野菜で食べてくれる人を笑顔にしたいしんゆり人 NO. 001 2018 WINTER 8