ブックタイトルしんゆり人 NO.002 2019 SPRING

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概要

しんゆり人 NO.002 2019 SPRING

 毎年、アルテリッカしんゆりのオープニングを飾る藤原歌劇団のオペラ公演。今年は同歌劇団が1984年以来、大切に受け継いできた『蝶々夫人』を上演する。演出家・粟國安彦さんが遺したこの作品は、幕開きとともに美しい情景が目の前に広がり、観客は思わず息をのむ。主役の蝶々夫人にはソプラノ歌手、小林厚子さんと迫田美帆さんがダブルキャストで配された。 小林さんは2007年に『蝶々夫人』で主演デビュー。これまでにも何度か国内外で蝶々夫人を演じている。「『蝶々夫人』は、私のオペラ歌手人生とともにある作品。デビュー当時は無我夢中で全力疾走していましたが、経験を重ね、舞台を俯瞰的に見ることができるようになってきました」 物語の舞台は明治時代の長崎。生活のため芸者をしていた15歳の蝶々さん(蝶々夫人)は、女街のゴローに紹介されたアメリカ海軍の士官、ピンカートンと結婚する。しかし結婚生活もつかの間、本国へ帰ってしまうピンカートン。二人の間に生まれた息子を育てな日本の様式美あふれる名舞台『蝶々夫人』に出演がら、彼の帰りを待って3年が過ぎたある日、彼の乗った船が長崎の港に入る。喜ぶ蝶々さんだが、彼はアメリカ人の本妻ケイトを連れていて…。悲劇のヒロインのイメージが強い蝶々夫人だが、小林さんはこの役をさらに深い視点で見つめる。「愛する男性を待ち続けた末の結末。確かに悲劇ですが、 蝶々さんはいつも自らの運命をしっかりと受け止めつつ、 その短い一生を懸命に生き抜きます。そんな一人の女性を私は生き生きと歌い演じたいのです」 一方、今回の公演で同歌劇団へのデビューと主演デビューの両方を果たす迫田さん。『蝶々夫人』は、オペラを学び始めたときから恋い焦がれていた作品だという。「『蝶々夫人』で主役を演じることは、この上ない喜びです。デビュー公演で緊張していますが、原作を読んだり、譜面を読み込んだり、諸先輩方の舞台を拝見したり、これまで勉強してきたことを存分に発揮したいと思います」。蝶々夫人は約3時間も歌い続ける、体力を必要とする役でもあるが、中学・高校と陸上部で鍛えた身体と精神力を生かしたいという迫田さん。歌については、「蝶々夫人の一途な愛を表現したいで蝶々夫人の一途な愛を歌に込めて藤原歌劇団 ソプラノ歌手  迫田 美帆 さん ・ 小林 厚子 さん川崎・しんゆり芸術祭 アルテリッカしんゆり 4月27日?・28日? 藤原歌劇団公演  「蝶々夫人」プッチーニ作曲 オペラ全2幕 出演オペラの稽古も行われている昭和音楽大学北校舎にて。今回、主役の蝶々夫人を演じる迫田美帆さん(左)と小林厚子さん(右)。しんゆり人 NO. 002 2019 SPRING 10